2004年9月号 | |||||||||||
M・UNITシリーズの入力指示計に
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(株)エム・システム技研 開発部 |
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さて、エム・システム技研では、10年ほど前にM・UNITシリーズのリフレッシュを行い、それまでの機種に対し、入力指示計の追加、入出力仕様の追加などを行いました。 その後も、プラグイン構造、長寿命、高信頼度設計はそのまま継承し、電力変換器、警報設定器AS4シリーズなど、あるいはAD変換器(形式:AD3V)、乗算器(形式:MLS)、除算器(形式:DIS)など、次々に新機種を発売しM・UNITシリーズのラインアップの拡充を図ってきました。 そしてこのたびは、M・UNITシリーズの中でもとくに直流出力のアナログ変換器について、新しい表示機能を備えた表示器および模擬出力機能(/E2コード)を追加させていただきました。このような機能追加により、従来の入力指示計の特長をさらに強め、ユーザーの皆様に一層便利にお使いいただけると考えています。 今回は、この新しい機能について、その詳細をご紹介します。
また、入力値を確認する際に稼働設備を止める必要がなくなるので、設備が稼働中に手で触れると危険な部分が変換器の近くにある場合にも、安全に入力値を確認でき、設備が稼働している状態での原因の追及がより容易に行えます。 点検の際に、テスタプローブを当てられないために確認できなかったところでも、表示器でチェックできるようになります。そのほか、電源が供給されているかどうかも確認できます。 このように、変換器に入力指示計を追加することによって設備設置、点検および問題発生などに際しての確認作業の作業性が向上します。
なお、表示する桁数は100.0から100.00へと、1桁増やしました。また、スケーリングを設定でき、0%点、100%点をそれぞれ-10000から10000の間で具体的に設定することによって、入力値に比例した希望の表示値に設定できます。さらに、%、μV、mV、V、mA、A、℃、F、Ω、K(DEG Kと表示)、mHz、Hz、kHz、VAC、AAC、mg、g、kg、t、rpm、rpsといった、基本的な単位を表示できるようになりました。従来は、%表示だけであったため、実量を求めたいときは計算が必要でした。しかし、新しい表示機能では、スケーリングと単位の表示ができるようになったことで、温度や電力などの実量を表示でき、不要な計算や思い違いによるトラブルを避けることができます。 実量表示機能に加え、表示は緑色に発光するバックライト付きになりました。従来の表示器も液晶表示でしたがバックライトがなかったため、暗い場所などでは見えにくく、電灯などで照らして見る必要がありました。このように、従来見えにくかったところでも、新しい表示器なら、はっきり見ることができます。
変換器の出力側にデジタルパネルメータなどをつける場合、その調整が必要です。調整の際、変換器の出力をスライドスイッチによって0%出力あるいは100%出力に変更することで、その出力側に接続されている機器の0%点、100%点を調整できます。従来、このような場合には、変換器の入力端子に0%点やあるいは100%点に相当する入力信号を入れる必要があり、非常に手間がかかる場合がありました。模擬出力機能を使えば、0%出力と100%出力をスライドスイッチで簡単に切り替えられるため、入力はそのままで、出力側につながっている機器の調整ができ、手間を減らすことができます。 なお、模擬出力機能が働いている場合には、入力と出力が切り離された状態になり、出力値は固定になります。その際、表示器のバックライトが緑色から赤色に変わり、出力が固定であることを明示します。
M・UNITシリーズに実量・単位表示機能、バックライト機能および模擬出力機能を追加することによって、盤設置時やトラブル発生時における調整作業と確認作業がより容易になります。 M・UNITシリーズは、世に出てから長い年月が経っていますが、決して旧態依然ではなく、時代に合わせたラインアップの拡充や新機能の追加を行い、絶えずお客様のご要求に応えられるよう、生まれ変わっています。 様々な入力に対応できる機能とラインアップを揃えるとともに、より使いやすくなったM・UNITシリーズを、今後ともぜひご活用ください。■ |
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