1998年4月号 | |||||
Windows版監視・操作用ソフトウェア
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(株)エム・システム技研 営業技術部長 | |||||
は じ め に MsysNet用の監視・操作用ソフトウェア(形式:SFD)は、信頼性の高い独自のリアルタイムOSをプラットホームとし、シンプルでありながら必要十分な機能と、優れた操作性を特長としてきました。近年、リアルタイム・マルチタスクOSとしての信頼性が向上し、工業用パソコンの分野で目覚ましく普及してきたWindows-NT4.0上にこのSFDを搭載し、操作性、監視性、およびエンジニアリング性を大幅にグレードアップさせたSFD-NTをこのたび発売しました。 1.SFD-NTの特長 ①Windowsオペレーション マルチタスクのWindows環境を最大限に利用することによって、優れた操作・監視性が得られます。各種画面の展開、並列表示、重ね合わせや拡大・縮小などが自由自在です。また、最大1280×1024ドットの高精細度画面表示を実現しています。 ②軽負荷ソフトウェア 現行のSFDの仕様を基本とした、簡便でユーザーフレンドリな操作・監視機能を、シンプルなソフトウェア設計により実現しています。その結果、市販されているほかの各種Windows版SCADAと比較して、パソコンに対するソフトウェア負荷を小さく抑えることができます。 ③レトロフィット機能 レトロフィット機能により、現行のSFDで作成したソフトウェア資産がそのまま利用できます。したがって、システムのリプレースや増改設時のエンジニアリング工数を大幅に縮小することができます。 ④イージーレポート機能 レポート(ロギング)機能を完全にパッケージ化しました。表計算ソフトの煩わしい設定やマクロ言語によるプログラムの記述などは一切不要です。ユーザーは、対話形式によるごく簡単な設定作業を行うことによって、日報、月報、年報のレポートを作成することができます。レポートは画面表示されると同時に自動印字されます(図2参照)。また、レポート内容を、CSV形式注)のファイルとして自動的にダンプすることも可能です。 ⑤簡単エンジニアリング DCSに必要な各種基本画面は、パッケージ化され標準装備されています(図1参照)。ユーザーは、対象となる設備の個別情報を設定するだけで、操業用の画面を簡単に作成することができます。 ⑥L-Busインタフェース MsysNetのネットワークとして、高速制御LAN:L-Busが新たに追加されました。 L-Busは、近年、情報用LANや制御用LANとして普及率の高いEthernet(伝送速度:10Mbps、通信プロトコル:IEEE-802.3 UDP/IP)をベースとしており、Busの2重化構成も可能です。 SFD-NTはL-Busとのインタフェースを標準仕様としており、より高速な操作応答性と高い信頼性を得ることができます。 なお、SFD-NTはM-Busにも接続可能であり、既存のM-Busシステムにおいて、SFD部のみのリプレース、あるいはSFDとSFD-NTの併設も可能です。 2.概 略 仕 様 表1にSFD-NTの概略仕様を示します。本誌前月号の「新OPU」でご紹介したように、SFD-NTは、下位の制御カード/ユニット用のビルダーソフト(形式:SFE-WIN、詳細は本誌次号以降でご紹介する予定です)と併せて、オペレータコンソール(OPU)にプレインストールされ、ユーザーに提供されます。したがって、ユーザー側でのインストール作業は不要であり、OPUの電源を投入すれば、SFD-NTをただちに立ち上げることができま す。 お わ り に ユーザーご自身の手で、簡単にシステムを構築することのできる点が、MsysNetシステムの大きな特長です。 SFD-NTの登場により、前述したイージーレポート機能など、マンマシンインタフェース機能のエンジニアリング性が大幅に向上しました。 制御カード/ユニットの計装部品化方式と併せ、SFD-NTを具備することによって、エム・システム技研は、システムの規模を問わず、より簡単なシステム構築の実現手段をお客様にご提供します。 ■ 注)CSVファイル形式:カンマ区切りファイル形式。アスキーコードで記述された値および文字列のデータが、カンマ(,)と改行記号(CR/LF)で区切られて表現されたファイル形式。汎用の表計算ソフトや、データベースソフトから直接読みとることができる。 |
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