1999年3月号 | ||||
テレアナンシエータ(形式:TLANN)の
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(株)エム・システム技研 開発部 | ||||
は じ め に エム・システム技研では、スーパーテレメータシリーズとして電話回線を使用したテレメータ、テレカプラをお客様に提供し、ご好評をいただいています。遠隔地の監視を行う場合のヒューマンコミュニケーション用として、ポケベル(漢字ポケベル)、電話、FAX、パソコンなどの機器が使用されます。これらの機器のうち、ポケベルは移動中での管理が容易に行え、電話は音声による報告を受けられ、それぞれに便利です。また、FAXは文字を記録し、情報を記録する役目を持っています。 これらの機器は、設備管理者個人に対する通報に適しています。遠隔地の信号監視機器との間でのコミュニケーションを取る手段のなかで、信号監視機器からの通報データをパソコンに取り込み、データの表示、記録を行いたいといった要求があります。 パソコンは非常に便利なものですが、必要な表示を行うためには通信データ処理と表示処理、さらに印刷処理のためのソフトウェアを用意しなくてはなりません。ここにご紹介するテレアナンシェータ(形式:TLANN)は、パソコンで処理するほどの機能は要らないが、異常通報メッセージを目に見えるようにし、遠隔地設備の運転状態を監視したい、というお客様のご要望におこたえする製品です。パソコン並みの表示機能を持ちながら、ソフトウェアの開発は不要であり、設置すれば直ちに、遠隔地からの通報を表示、記録、印刷することができます。テレアナンシェータと信号監視機器を使用することにより、遠隔地の信号監視を容易に行うことができます。 システム構築のためのソフトウェア開発が不要ですから、設置したその時点からご使用になれます。 機 能 (1)システム構成 図1に示すシステムは、テレアナンシェータを使用したマンホールポンプ監視装置の一例です。 中央の監視室にテレアナンシェータを設置し、遠隔地からの異常通報メッセージを同機の液晶表示部に表示させます。 液晶表示部に異常通報メッセージが表示されると同時に、ブザーの吹鳴またはアラームランプの点灯を行います。 ブザー、アラームランプの駆動はオプションであり、いずれか1個を駆動するための接点信号がテレアナンシェータから出力されます。テレアナンシェータの画面に表示されたメッセージは、管理者がメッセージの内容を確認するまで、点滅表示を続けます。 遠隔地のマンホールポンプに設置されている信号監視機器(エム・システム技研製品てれまる(形式:TLO)またはテレロガー(形式:TLX))が現場の信号監視を行い、異常を検出すると、テレアナンシェータに接続されている漢字ポケベル(NTTドコモ社、インフォネクストD12)に、電話回線を使ってメッセージ通報を行います。 漢字ポケベルは、監視機器から受け取ったメッセージをテレアナンシェータに送ります。てれまる、テレロガーが通報するメッセージについては、あらかじめてれまる、テレロガーにビルダーソフトを使用して文字列で設定しておきます。テレアナンシェータはタッチパネル付きの液晶表示器であり、操作はすべて画面に表示されている操作ボタンにタッチして行います。 (2) 未確認警報表示画面 図2には、未確認警報表示画面を示します。 未確認警報表示画面は、遠隔地の現場に設置されたてれまる、テレロガーから漢字ポケベル経由で送られてきた異常通報メッセージを、そのまま表示器の画面に文字列で表示します。 テレアナンシェータは、受信したメッセージの内容が異常発生か正常復帰かの判断を行い、画面に表示されているメッセージ文字の背景色を更新します。 文字背景色の表示方法を次に示します。 異常の発生:文字背景を赤色点滅 異常の確認:文字背景を赤色点灯 確認前の正常への復帰: 文字背景を緑色点滅 確認後の正常への復帰: 表示されていたメッセージを消去 テレアナンシェータに送信されるメッセージについては、規則に従って、あらかじめてれまる、テレロガーにそれぞれのビルダーソフトを使用して設定します。この規則では、通報するメッセージの後に、前述のメッセージで文字背景色を決めるコードを付加するようになっています。 管理者はテレアナンシェータの画面に表示されたメッセージを見ることによって、異常が発生している設備をいち早く、正確に知ることができます。 未確認警報のメッセージは最大100メッセージまで蓄積され、未確認警報画面に表示されます。 (3) 履歴表示画面 図3には、履歴表示画面を示します。テレアナンシェータが受信したメッセージを履歴エリアに記憶しておき、異常の発生時刻とともに表示します。未確認警報画面に表示されているメッセージは、異常通報されたメッセージのなかで正常に復帰していないもの、および異常の発生を管理者が確認していないものだけです。一方、履歴表示画面では、てれまる、テレロガーから送られてきたすべてのメッセージが表示されます。 異常の発生は文字背景を赤色で、正常への復帰は文字背景を緑色で表示します。 この画面によって、監視している設備の異常発生時刻、正常復帰時刻を過去にさかのぼって知ることができます。 履歴画面に表示できるメッセージは最大で100メッセージです。 蓄積されているメッセージが100を超えると、旧い順に上書きされます。 (4) 印 刷 履歴表示画面に表示されている内容は、すべてテレアナンシェータに接続したプリンタで印刷することができます(プリンタについては、お客様でESC/P仕様のものをご用意ください)。 プリンタに履歴データを印刷することにより、遠隔地設備における異常発生、正常復帰の状況を記録することができます。 印刷の内容は履歴表示画面に表示されたものと同じです。 お わ り に テレアナンシェータを使用すれば、最少の構築費用と開発期間で遠隔監視システムを実現することができます。 とくに、テレアナンシェータを設置したそのときから、直ちに監視を開始します。エム・システム技研では、このように機器を設置すると直ちに動作を開始する機器を数多くお客様にご提供しています。エンジニアリング費用を最小限にすることができるテレアナンシェータを、スーパーテレメータシリーズ遠隔信号監視機器の上位機器としてぜひご活用ください。 ■ *テレカプラ、てれまる、テレロガーはエム・システム技研の登録商標、テレアナンシェータは商標登録出願中です。 |
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