1999年6月号 | |||||
あと4か月に迫ったSI単位系への完全移行
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産業や学術をはじめ、あらゆる面の国際交流を推進していくために、計量単位の国際的統一が必要です。そのため、今から約6年前の
1993年11月に新・計量法が施行され、計量対象毎にそれぞれの計量単位を国際単位であるSI単位の中から選んで法定し(「法定計量単位」と呼ばれる)、取引や証明には法定計量単位以外の単位の使用を禁止するとともに、法定計量単位以外の単位が表示された計量器の販売を禁止して、違反者には50万円以下の罰金が科されることになりました。 それ以前から、法定計量単位にはすでに多くのSI単位が取り入れられていましたが、まだ非SI単位が一般的に使用されている分野も数多くありました。そこで上記の新・計量法では、今後は原則としてSI単位のみを使用させるべく、法定計量単位の中から非SI単位を排除することにしたわけですが、突然の排除による社会的混乱を避けるため、排除する非SI単位を3つのグループに分けて、それぞれ一定の猶予期間(移行のための準備期間)をもって段階的に排除することとし、この猶予期間を同法の公布後3年(1995年9月30日まで)、5年(1997年9月30日まで)、および7年(1999年9月30日まで)の3段階としました。 その後約6年が経過し、来る9月30日にはこれらの猶予期間がすべて満了するため、翌10月1日からは全面的に非SI単位の使用が禁止され、同時に非SI単位が付された計量器(SI単位と非SI単位との二重目盛のものも)の製造販売が禁止されます。ただし、厳密には「製造」が禁止されるわけで、9月30日以前の製造による在庫品については、10月1日以降もその販売が認められます。 以上の概略およびSI単位系についての概要などを、1993年から1994年にかけて、(社)日本電気計測器工業会作成の『法定計量単位の国際単位系(SI)への統一』と題する「プラスチック製下敷き(図1)」をお配りしながらお客様へPRさせていただきましたが、まだ覚えてくださっていますでしょうか? 非SI単位計量器の販売禁止が数か月後に迫ったため、ここに改めてPRさせていただく次第です。 一般的な影響とご注意 SI単位系への移行による影響は、数値がそのままで単位の呼び方のみが変わるもの(たとえば、気圧:1000mb(ミリバール)→1000hPa(ヘクトパスカル))についてはあまり問題ありませんが、数値自体が変わってくるもの(たとえば、圧力:1kgf/㎝2→98.07kPa、熱量:1cal→4.184J等)については、場合により大きな影響がありますので、十分な注意が必要です。 なお、この規制は「輸出される計量器」については適用除外されております。したがって、輸出用計器につきましては、今後とも、非SI単位仕様のものも受注・販売が可能です。 また、この規制は、商取引や公式書類など、「取引や証明」に使用される計量単位に適用されるものであり、個人の趣味の話や学術発表等には適用されません。 なおまた、特定対象については一部例外があり、たとえば、海面に係る長さ:海里、宝石の質量:カラット、船舶や航空機の速さ:ノット、真珠の質量:もんめ、栄養学の熱量:カロリー 等は、今後も引き続きこれらの非SI単位が使用されます。 参 考 (計量法とは別な、規格に関連する話ですが) 計装用空気圧の統一信号は従来「0.2~1.0kgf/㎝2」でしたが、今後はこれをそのまま単純にパスカルへ換算した、数値的に半端なレンジの「19.6~98.1kPa」を使用するのではなく、IEC382として国際規格化されている「20~100kPa」を、将来の統一信号として使用することが業界として決定されていますので、今後はエム・システム技研でも、お客様の特別なご指定がない限り、原則としてレンジが「20~100kPa」の製品を供給させていただきます。なお、詳細はエム・システム技研のホットライン窓口までご照会ください。 ちなみに、従来の統一信号「0.2~1.0kgf/㎝2」は、IECの規格にはなっていませんでした。 エム・システム技研製品への具体的な影響 エム・システム技研製品に関しての具体的な影響は、圧力(計装用空気圧信号)の「kgf/㎝2」が「kPa(キロパスカル)」に、また力のモーメント(トルク)の「kgf・m」が「N・m(ニュートンメートル)」に変わる点などです(図2参照)。 ■ *サーボトップはエム・システム技研の登録商標です。 |
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