1999年8月号 | |||||
ISDN用避雷器(形式:MD-INS) | |||||
(株)エム・システム技研 開発部 | |||||
は じ め に インターネットや電子メールの普及により、現在ISDN回線が脚光を浴びています。それは、ISDN回線が持っている、高速でデータ通信を行いながら同時に電話やFAXが使用できるという特徴が、パソコン通信時代に多くの人たちに受け入れられたためと考えられます。ISDNはIntegrated Services Digital Networkの略で、日本語表現では総合デジタル通信網といいます。ISDNは世界標準の規格ですが、日本ではNTTが「INSネット64」という名称でサービスしています。 エム・システム技研では、このような状況に対応して、このたびISDN回線用の避雷器を発売しましたので、その特徴や使い方についてご紹介します。 1.主な機能と特徴 ●ISDN回線専用の避雷器であり、一般の電話回線や専用回線には使用できません。 ●回線の接続には、モジュラジャックまたはねじ端子が使用できます。しかし、放電耐量がねじ端子では10000Aであるのに対し、モジュラジャックでは100Aである点にご留意ください。これは、モジュラジャックとモジュラプラグの接触面が大きな電流に耐えられず、溶着したり、接触不良になったりするからです。このような理由から、ISDN回線の接続は、一般にねじ端子で行うことをお奨めします。ただし、回線の接続をねじ端子で行う場合は、「工事担任者」の資格 注1)が必要です。 ●電気通信端末機器審査協会の技術基準認定を受けていますから、NTTに回線を申込むときに機器名と認定番号を記入するだけで接続することができます。 2.アプリケーション例 遠く離れたところにある現場の運転データをテレメータで送信し、中央側で状況を監視する例をご紹介します。 テレメータには、一般の電話回線用I/O一体形モデムインタフェース(形式:SMM)と電話回線用NCU付モデム(形式:MOC1)を使用します。現場からの電話回線としては、ISDNでない一般の公衆回線を使用しますが、中央側の回線には事務所で使用しているインターネットや電子メール用のパソコンも同時に使えるようにISDN回線を使用し、回線コストを下げています。もちろん、このISDN回線にはISDN用避雷器(形式:MD-INS)を使用し、テレメータ設備とパソコンを同時に雷サージから保護します(図2参照)。 3.仕 様 ●形 式:MD-INS ●認定番号:C99-0198JP ●機器仕様 構 造:プラグイン構造接続方式 回 線:モジュラジャックまたはM3.5ねじ端子接続 接地線:M3.5ねじ端子接続 ●設置仕様 使用温度範囲:-5~+55℃ 使用湿度範囲:30~90%RH(結露しないこと) 取 付:壁取付またはDINレール取付 寸 法:W26×H93×D137mm 重 量:約150g ●性 能 放電開始電圧 線 間:±65Vmin 線-接地間:±500Vmax 制限電圧(雷サージをこの電圧以下に制限します) 線 間:±100Vmax 線-接地間:±650Vmax 応答時間:0.1μs 放電耐量 回線接続がモジュラジャックのとき:100A(8/20μs) 回線接続がねじ端子のとき:10000A(8/20μs) (ねじ端子の接続には「工事担任者」の資格が必要です) 洩れ電流 線 間:50μA以下(DC65Vにて) 線-接地間:50μA以下(DC140Vにて) 最大線間電圧(線間に常時印加して使用できる最大の電圧です):±65V お わ り に エム・システム技研のISDN用避雷器(形式:MD-INS)は、1999年7月からの出荷開始を予定しています。さらに詳しい資料などを希望される方は、エム・システム技研ホットラインまでご請求ください。 ■ 注1)電気通信「工事担任者」について 工事担任者は、電気通信回線に端末設備または自営電気通信設備の接続工事を行い、または監督する者の資格です。利用者は、工事担任者に同工事を行わせ、または実地に監督させねばなりません。工事担任者試験は国家試験で、郵政大臣から指定された(財)日本データ通信協会が年2回実施しています。 |
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