1999年8月号

32チャンネルエムシスレコーダ
(パソコンレコーダソフト 形式:MSRS32)

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に

 エムシスレコーダは、パソコンを利用したペーパーレスレコーダとして、発売以来皆様にご好評をいただき、長期データ記録や試験データ収集などのアプリケーションに多数ご使用いただいています。しかし一方では、現在販売している8チャンネル エムシスレコーダ(パソコンレコーダソフト形式:MSRS)では「チャンネル数が少ない」とのご不満も、お客様から数多くいただいてきました。そこでエム・システム技研では、32チャンネル エムシスレコーダ(パソコンレコーダソフト形式:MSRS32)を開発し、このほど発売しました。MSRS32はソフトウェアです。MSRS32に接続する入力ユニットは、ネットワーク計装部品であるMsysNetリモート入出力ユニット(形式:SML)および8チャンネル エムシスレコーダ用の直入力ユニット(形式:MSR-G3)です。
 MSRS32では入力信号が32チャンネルと増加しましたが、0.5秒の収録周期と描画更新周期は維持され、MSRSと共通の操作でご使用いただけます。

1.MSRS32の特徴
●アナログ、デジタル合計32チャンネルの信号を0.5秒周期で記録、表示更新します。
●各ペン毎に現在値をデジタル表示します。
●記録画面の実量値目盛を各ペンのスケールに合わせて選択表示させることができます。
●データのプロット位置のシフト、指示範囲の拡大縮小、対数目盛での表示などを行うことができます。
●データはWindowsのファイルとしてCSV形式でハードディスク上に収録されます。したがって、Excelなどの表計算ソフトで直接取込むことができます。
●収録されたデータをMSRS32の編集画面に取込み、時間帯およびペンを選択し、記録データの一部を取出すなど編集が行えます。また、編集したデータはWindowsのファイルとしてMSRS32以外のアプリケーションでも使用することができます。とくにデータ量の多いものについては、Excelの1シートに入るよう、データの並びを編集したファイルの作成が可能です(図4はファイル形式の選択画面です)。

2.MSRS32の機能
(1)データ収集
 収録周期を0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒、1分、10分、1時間の中から選択し、データをハードディスクに格納します。0.5秒以外での収録については、データを単純に間引く方法と平均をとる方法を選択できます。サンプリング周期0.5秒は固定です。選択した入力点のデータが設定した範囲にある場合にだけデータの収録を行う自動収録開始、終了が可能です。図1はデータ収録等を設定するシステムメニューです。
(2)記録機能
 図2はMSRS32の記録画面です。1画面に表示されるペンは8ペンで、8ペンを1グループとして4グループあります。
 記録画面のチャートスピードには、長時間、通常、倍速の3種類があります。長時間表示の場合には、1画面に表示されている時間が16分、1時間、4時間のいずれかを設定します。
 チャートの流れの順送りと逆送り、また記録するペンのプロット線の太さの操作ができます。
 各ペンの実量値を工業単位とともに常時デジタル値表示します。目盛については、ペンを指定してそのペンのスケールを表示させることができます。
 各ペンのプロット位置のペン毎の移動や指示範囲の拡大縮小、また対数目盛での表示が可能です。
 アナログ値のペンに上限アラーム設定、下限アラーム設定をしておくと入力値がアラーム範囲に入ったとき、ペン毎にアラームマークを点滅させます。データが正常復帰すると、マークは連続点灯になります。
 そのほか、記録エリアに任意の文字列でコメントを記入したり、記録エリアの特定位置のペンデータをデジタル値で読出し、表示することができます。
(3)編集機能
 図3はMSRS32による編集画面の一例であり、32チャンネルのデータ(4グループ)を1画面表示したところです。1画面に1グループ、2グループ、3グループの表示もできます。
 1グループ表示しているときは、図6に示すように時間軸指定によって各ペンのデジタル値表示を行います。
 1画面に表示する期間は6分、12分、24分、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間の8通りあり、プロットするデータの並びを画面の上から古い順または新しい順で表示することができます。
 MSRS32で収録したデータの中から取出したい時間帯とペンを選択し、新しいCSVファイルを作ることができます。また、レコード数が大きくてExcelの1シートに収まらない場合は、Excelの1シートに収まるようデータの並び替えを行いファイル作成する方式も選択できます。
 図4は新たに作成するファイルの編集方法の選択画面、図5はExcelのセルに展開されたMSRS32収録データの例です。
(4)データ印刷機能
 印刷したいペンを選択し、A4用紙にカラー印刷します。
 (5)その他の機能
 収録先フォルダ、収録周期、ペン情報などの設定情報をファイルに格納し、次回使用時に読み出して再設定をすることができます。パラメータの再設定は、MSRS32が停止状態のとき行えます。

3.MSRS32の動作環境
 MSRS32の動作環境については表1をご参照ください。

お わ り に
 MSRS32のご採用によって、システム立上げ時の動作確認や効率解析、環境データの長期保存その他のアプリケーションにおいて、収録された余裕の32チャンネルデータをご活用ください。
 エム・システム技研ではパソコンを利用したペーパーレスレコーダを市場に送り出し、パソコンによるデータ収録が可能であることを示す実績を作りました。今後も、簡単な操作で使いやすいパソコンレコーダをご提供して参ります。エムシスレコーダのご活用を期待しています。         ■
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