エムエスツデー 2011年7月号

Products Review
バックアップユニット内蔵
シングルループコントローラ SC110/SC210
マニュアルバックアップを可能にするバックアップ機能を備えました。
「シングルループコントローラ SC110/210」は、バックアップユニットを内蔵したモデルです※1。
「バックアップユニット」は、万一、調節計本体「メインユニット」に故障あるいは何らかの異常が発生した場合にも、制御出力(MV)※2 を保持し、かつ手動操作(マニュアルバックアップ)を可能にするバックアップ機能を備えた信頼性の高いユニットです。
「シングルループコントローラ SC110/210」はとくに高い稼働率を求められるプラントや操作性の確保が重要なループの制御用として最適なコントローラです。
制御出力を保持したまま本体の挿抜が可能です。
「バックアップユニット」により制御出力(MV2)を保持したまま、「メインユニット」(内器)をパネル前面から引き抜くことができます。そして、交換用の「メインユニット」(予備品)や修理の完了した「メインユニット」を前面から挿入すれば復旧できます。
シングルループコントローラ 基本モデル 形式:SC110 |
基本価格:400,000円 |
シングルループコントローラ 基本モデル 形式:SC210※3 |
基本価格:500,000円 |
ハードウェア構成
前面パネルごと取り外し可能な「メインユニット」と、
独立して動作する「バックアップユニット」。
■ 独立した「バックアップユニット」が筐体(端子台)側に固定されています。
「メインユニット」とはコネクタ接続され、「バックアップユニット」を
筐体側に残したまま「メインユニット」をパネル前面から挿抜することができます。
■ 出力(MV2)指示用のインジケータ(前面LED)は「バックアップユニット」側に
接続され、また出力操作用の前面ボタンの接点信号は、「メインユニット」側と
「バックアップユニット」側双方に並列に接続されています。
■「バックアップユニット」は、「メインユニット」から独立した電源部を備え、
「メインユニット」側とは給電系統を分離することができます。
■「バックアップユニット」は、メインユニットよりも少ない部品点数で
シンプルに構成され、高い稼働率を実現します。
切替時の動作
「メインユニット」の異常発生時にスムーズな交換とバンプレスなシステムの
復旧が可能です。
■ 通 常 時
●「メインユニット」と「バックアップユニット」は、通信によって相互に状態を
監視しています。
●「バックアップユニット」側は、「メインユニット」側の出力アンサバック値
(アナログ値)を取り込み、自己の出力をトラッキングさせています。
● 制御出力(MV2)の切替SWは、「メインユニット」側を選択しています。
■ バックアップユニット切替時
手動による切り替えは常時可能です。さらに、自動切替の「有効/無効」を選択できます※5。
1.手動切替時
● 前面ボタンの操作により、制御出力(MV2)の切替SWが「バックアップユニット」
からの出力側に切り替わります※6
●「バックアップユニット」からの出力は、あらかじめ「メインユニット」からの出力と
トラッキングがとられているのでバンプすることはありません。
● その状態から、前面ボタンによる手動操作が可能です。
2.自動切替時
● 「バックアップユニット」のバックアップCPUが「メインユニット」側の
異常(入出力CPU、もしくは制御CPUの異常)を検知すると、制御出力の
切替スイッチが「バックアップユニット」出力側に切り替わります※6。
「バックアップユニット」からの出力方式を以下から選択することができます※5。
(1) 切替前の「メインユニット」側からの値
あらかじめトラッキングがとられているのでバンプすることはありません。
(2)プリセット値
設定画面からあらかじめ設定した固定値。切替前の出力値からは、変化率制限※5を
かけることが可能であり、急激な変動を抑えることができます。
■ 復 旧 時
● 取り外した「メインユニット」を復旧する場合、前面ボタンの操作により
制御出力の切替SWを「メインユニット」側に切り替えます。その際、
「メインユニット」側は「バックアップユニット」側からの出力を取り込み、
自己の出力をトラッキングさせることにより、バンプレスに切り替えることができます。
● 切り替わった初期状態は、制御ループがマニュアルモードになっています。
※1.「バックアップユニット」以外の機能は、SC110 は SC100 と、SC210 は SC200 とそれぞれに同等です。
※2.「バックアップユニット」によりバックアップされる出力は、MV2(4~20mA)1点です。
※3. SC200/210 は、下記の拡張機能を搭載しています。
・ 上位通信機能(ModbusRTU もしくは Modbus/TCP通信)
・ 拡張 I/O Bus通信(NestBus通信)
・ ショートトレンドデータの保存機能(PCにCSVファイル保存)
※4. 2系統給電モデルの場合
※5. ビルダーソフト(形式:SFEW2)から、モードやパラメータを設定することができます。
※6. バックアップユニット側に切り替わると、「RUN接点」が開きます。