エムエスツデー 2008年7月号

フィールドロガー TL4シリーズ
多点監視 音声通報カード(形式:TL4-AL1)
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、てれまる(形式:TLO)、てれとーく(形式:TLA)、てれとーくW(形式:TLW)、えむとーく(形式:TLM)などの音声通報装置を販売して参りました。これらの機器は接点入力を最大8点まで監視できるのですが、もっと多くの点数を監視したいというご要望をいただいています。
そこで、新たにフィールドロガーTL4シリーズを開発し、「音声通報カード(形式:TL4-AL1)」をTL4シリーズに加えました。
TL4-AL1にリモートI/O R3シリーズの接点入力カードとTL4シリーズのモデム通信カード(形式:TL4-MDM)とを組み合わせることによって(図1)、最大512点の接点を監視し、音声通報を行うことができます。
1.システム概要
TL4-AL1を組み合わせることによって、リモートI/O R3シリーズは音声通報装置として機能します。
システム構成例を図2に示します。
電源は電源カード(形式:R3-PS□)から供給し、一般電話回線とはモデム通信カード(TL4-MDM)を介して接続します。接点入力には接点入力カードを用い、具体的には16点(形式:R3-DA16□)、32点(形式:R3-DA32A)、64点(形式:R3-DA64A)などのカードと組み合わせてご使用いただけます。
監視するシステムの規模に対応して、最小16点から最大512点まで選択することが可能です。
通報の音声メッセージや通信の設定など各種のデータ設定は、専用のビルダソフト(形式:TL4AL1BLD)を使って行います注)。
Ethernetを経由してTL4-AL1と接続されているパソコンから、データを設定できます。
2.主な機能
図3にTL4-AL1の前面パネル図を示します。
TL4-AL1の主な機能は、以下に列挙するとおりです。
(1)事象検出機能
接点入力カードの入力を0.1秒周期で監視し、異常の発生/復帰、機器の運転/停止などの事象の検出を行います。最大512点の監視が可能です。
各接点には、3種類のフィルタリングを設定できます。フィルタリングの概略は以下のとおりです。
・ 反 転
ONをOFFに、OFFをONへと、入力データを反転させます。
・ ON/OFF遅延
ONからOFF方向へ、あるいはOFFからON方向へ状態変化した後、一定の遅延時間を経過すると、状態変化を認識して処理します。
・ ワンショット
OFFからONへ状態変化したとき、ワンショット時間の間、ONとして処理をします。
ワンショット時間経過後はOFFになります。
ONからOFFの場合も同様です。
(2)音声通報機能
・ 通報機能
検出された事象について、音声通報を行います。
音声メッセージは1点毎に、ON方向・OFF方向それぞれに設定が可能です。
通報先の電話番号は16件まで登録することができます。
また、CFカードに通報の送信ログを記録します。テキストデータで記録するので、特別なアプリケーションソフトウェアを使うことなく送信ログの閲覧が可能です。
・ 音声読み上げ機能
電話機からの接点番号の指定を受け、その接点の状態を読み上げます。
・ 異常サマリ報告機能
電話機から要求があった場合に、現在異常状態にある事象を音声で報告します。
接点には「運転/異常」と2種類の事象種別を割り付けることができ、その割り付けた事象種別のうち「異常」データが報告の対象になります。
・ 通報フィルタ機能
音声通報の通報先16件について、それぞれ通報時間帯および休日・祝日における通報の要否を設定することができます。
(3)ビルダ設定機能
512点の接点データや通信の基本設定、通報フィルタの設定などをビルダソフト(TL4AL1BLD)をインストールしたパソコンから、Ethernetを経由して実施できます。
TL4AL1BLDはMicrosoft Office Excelをベースとしたプログラムです(図4)。
データは専用画面から入力しますが、それ以外に、専用画面を開かずに、Excelのシート上から直接入力することも可能です。
おわりに
音声通報カードTL4-AL1をR3シリーズの接点入力カードと組み合わせることによって、16点から512点に至る多数の接点を監視できる音声通報装置になります。今後は、アナログ入力への対応も実現していきたいと考えています。
ご意見やご要望など、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。
注)TL4AL1BLDについては、エム・システム技研のホームページのダウンロードサイトに追加する予定です。
*フィールドロガー、てれまる、てれとーく、えむとーくは、(株)エム・システム技研の登録商標です。