エムエスツデー 2008年6月号

テレメータ D3シリーズ(4)
− 多重伝送テレメータ(D3-LT7、D3-LT8、D3-LT9)−
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
前回は、NTT専用回線の代わりにツイストペア線を用いるD3シリーズテレメータをご紹介しました。
今回は、分散形多重伝送ユニット(形式:DLA1)、テレメータユニット(形式:DLS)の後継機種として使用できる多重伝送(SIN-NET)用の専用回線帯域品目「1200bpsテレメータカード(形式:D3-LT7)」、専用回線符号品目「50bpsテレメータカード(形式:D3-LT8)」、ツイストペア線「10km対応テレメータカード(形式:D3-LT9)」についてご紹介します。
多重伝送(SIN-NET)用の「通信カード(形式:D3-NS1)」、「テレメータインタフェースカード(形式:D3-NS2)」と併用することにより、分散形多重伝送のテレメータシステムを構築することが可能です。
1.多重伝送用 通信カード(形式:D3-NS1)
多重伝送(SIN-NET)用通信カード(D3-NS1)とD3シリーズ用入出力カードと組み合わせることによって多重伝送ステーション1局を構成することができます。
図3にシステム構成例を示します。
多重伝送ステーションにおいてD3-NS1のステーション番号を設定することによって入出力先が決定します。
(1)入力専用ステーションと出力専用ステーションの組合せ
ステーション番号を一致させます。出力専用のステーションは、入力専用ステーション1局に対して複数局使用できます。
ただし、64点用入力ステーションはステーション番号を2個使用するため、設定したステーション番号の次の番号については他のステーションに設定しないでください。
(2)接点入力64点用ステーションと出力32点用ステーション2局の組合せ
2局の出力ステーションに続き番号を設定します。
(例:入力ステーションが“01”のとき、出力ステーションは“01”と“02”に設定します)
(3)接点入力32点用ステーション2台と出力64点用ステーションの組合せ
2局の入力ステーションに続き番号を設定します。
(例:出力ステーションが“01”のとき、2局の入力ステーションは“01”と“02”に設定します)
(4)入出力混在形ベース相互間の組合せ
2局のステーションのステーション番号を、偶数番号から始まる続き番号に設定します(例:“02”と“03”など)。3局以上のステーションを組み合わせることはできません。
2.多重伝送用 テレメータインタフェースカード(形式:D3-NS2)
多重伝送ステーションが遠く離れた場所にある場合には、多重伝送(SIN-NET)用テレメータインタフェースカード(D3-NS2)と1200bpsテレメータカード(D3-LT7)、50bpsテレメータカード(D3-LT8)あるいは10km対応テレメータカード(D3-LT9)を組み合わせることによって、NTT専用回線を用いることが可能になります。
・ D3-LT7:NTT専用回線帯域品目3.4kHz、1200bps
・ D3-LT8:NTT専用回線符号品目50bps
・ D3-LT9:ツイストペア線10km
図4にシステム構成例を示します。
基本的な設定はステーション番号の設定だけであり、増設なども容易に行えます。また、大規模なシステムから小規模なシステムまで広く対応することができます。
お わ り に
ここでご紹介した多重伝送テレメータは分散形多重伝送ユニット(DLA1)と混在して使用することも可能です。また、機能ごとにユニットとして分離されているため、様々な組み合わせが可能であり、DLA1ではできなかった機能が数多く可能になっています。
また、Ethernet(Modbus/TCP)を介してPCとの接続を可能にするため、多重伝送(SIN-NET)用の「リモートI/Oインタフェースカード(形式:D3-NS3)」、多重伝送(SIN-NET)・Modbus/TCP(Ethernet)用「通信カード(形式:D3-NSE1)」なども開発しています。
* * *
4回にわたり「テレメータ D3シリーズ」についてご紹介して参りました。
今後もテレメータ D3シリーズの機能の拡充と強化に努めて参ります。