今回は、福岡県糟屋郡篠栗町にある協立エアテック株式会社を訪問し、本社工場のスポット空調の監視・制御システムに採用されたリモートGP(リモートグラフィックパネル、形式:RGP30)とModbus-RTU対応PAC(プログラマブルオートメーションコントローラ、形式:BA3-CM20)、Webロガー2(形式:DL30)について、同社ビル設備技術部の黒川様と製造本部製造1課の山口様、エンジニアリングを担当されたFOUR・SE株式会社の落合様にお話を伺いました。
エムジー 本システム導入の経緯についてお聞かせください。
黒川様 本社の第一工場では、近年の酷暑による作業環境の悪化が課題となり、2021年にスポット空調システムを導入しました。導入にあたっては、単なる空調システムの追加にとどまらず、空調の専門メーカーとして「新しい仕組み」も構築したいと考えました。具体的には、製造ラインにあるダンパの溶接工程や塗装ブース用にスポット空調システムを設置し、その「新しい仕組み」を「見える化」して工場見学に訪れるお客様にも体感していただけるようにすることでした。
ちょうど当社ではオープンネットワークのModbus通信に対応したモータダンパを開発しており、この製品を活用できるシステムを模索していたところ、エムジーにはModbusに対応した製品が多くあることをFOUR・SE株式会社の落合様からご紹介いただきました。Modbus-RTU通信機能を搭載したコントローラ BA3-CM20と表示器のRGP30を組合せて監視と制御を両立できたことが、エムジー製品を採用した大きな決め手です。RGP30にはHDMI出力が搭載されており、大型モニタへの表示やサイネージ表示にも対応できます。また、表示にはWebブラウザさえあればよいため、無線LANを利用すればタブレットやスマホからの監視にも発展させることができることも魅力でした。
エムジー 本システムの概要や構成についてお聞かせください。
黒川様 詳細はシステム構成図をご参照ください。
今回、工場内にパッケージ空調機を増設し、ダクト経由で各スポットに冷やした空気を送っています。
ダクトの先にはModbus通信対応のモータダンパが9台ついており、BA3-CM20から風量制御を行っています。BA3-CM20にはソフトウェアPLCのCODESYSが採用されており複雑な制御の作りこみができます。そこで現場のスイッチによるダンパの開閉操作信号をBA3-CM20に入力し、スイッチの状態に応じたダンパの開閉制御と空調機のインバータ制御を行っています。工場内ではレイアウト変更が頻繁に行われるため、モータダンパの開閉操作には無線スイッチを採用しました。都度の配線作業が不要となり配置変更の柔軟性も高まりました。
また、BA3-CM20に取込んだダンパの稼働状況信号の把握やイベント履歴の記録を行うため、Webロガー2(形式:DL30)を採用しました。BA3-CM20はModbusサーバ機能も搭載しているため、ModbusクライアントのDL30からEthernet(Modbus/TCP)で接続してデータを収集しています。
これらBA3-CM20やDL30の情報は、Ethernet(Modbus/TCP)でRGP30に取込み、グラフィック画面で監視を行っています。RGP30の監視画面を社内LAN経由でパソコンに表示して、各空調機の発停や設定変更を行うこともできます。さらに、RGP30は社内ネットワークに接続しており、福岡県にある本社と東京本社のどちらからでもRGP30の監視画面をPCのWebブラウザで表示できるようになっています。
エムジー どのような運用を行っているのかお聞かせください。
黒川様 作業場所に作業員が来ると人感センサが検知してBA3-CM20に接点信号が送られ、BA3-CM20からの指令で自動的にダンパのスライドシャッターが開き、離れると閉じる仕組みを導入しました。これにより、スライドシャッターが開いたままになることを防ぎます。スライドシャッターは作業員が無線スイッチで操作することもできます。
また、BA3-CM20に構築したパターン制御を利用して空調機のインバータ制御を行うことにより、人が多い場合は空調の出力を上げ、少ないときには出力を下げるといった省エネ運転を実現しています。
落合様 このインバータ制御では、「人感センサ優先」や「強制運転モード」など複数のモードを用意しており、RGP30の監視画面から簡単に運転モードを選択できます。さらに、9台のモータダンパそれぞれに設定画面を作成し、詳細なパラメータの変更もModbus経由でできるようにしています。
エムジー 本システムを運用した感想をお聞かせください。
山口様 導入後は工場内の快適性向上を実感でき、作業効率が大きく改善しました。エムジー製品は、機能が明確なため機器選定が容易であり、組合せしやすいと感じています。計画当初は「制御と履歴確認ができれば十分」という要望からスタートしましたが、RGP30を採用したことにより、来場者への見せ方にも幅が広がりました。今回のシステム導入で作業環境改善と省エネが同時にできたことに満足していますし、離れた東京都の事務所から福岡本社の稼働状況や異常が確認できるのも大変便利に感じています。
エムジー 今後の予定をお聞かせください。
黒川様 今後は、工場の空調をはじめとした設備全般の監視・自動化に取組んでいく予定です。人手不足への対応も課題であり、今回のシステムで自社製品とエムジー製品がModbusで接続できることを確認できたのは大きな成果でした。今後は通信対応機器のラインアップをさらに拡充し、単なる機器販売にとどまらず、システム全体としての展開を進めていきたいと考えています。
エムジー 本日はお忙しい中ありがとうございました。今後ともエムジーをよろしくお願いします。
採用された製品のご紹介
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- リモートグラフィックパネル リモートGP®
形式 RGP30
- 各現場の目的にあった最適なディスプレイが選べる表示部をもたない表示器です。PLCやリモートI/O、IoT機器、監視カメラなどの各種データをネットワーク経由で取込み、専用作画ソフトウェア(形式:RGP-Designer)で作画します。作画した画面をリモートGPへ転送するとリモートGP内部でWeb画面が生成されます。PCやタブレットなど、機種やOSを問わずブラウザからそのWeb画面を表示することができるため、製造現場などの見える化を簡単に実現します。HDMIポートを装備しているため市販の大型モニタやタッチパネルにも表示できます。
・専用作画ソフトウェア(形式:RGP-Designer)は、当社Webサイトから無料でダウンロードできます。
- リモートグラフィックパネル リモートGP®
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- Modbus-RTU対応 PAC
形式 BA3-CM20
- 空調制御専用のBAコントローラです。ソフトウェア開発環境は、PLC言語の国際標準規格であるIEC 61131-3に準拠したCODESYSを採用しています。
- Modbus-RTU対応 PAC
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協立エアテック株式会社のご紹介
協立エアテック株式会社 本社第一工場 協立エアテック株式会社は空調・防災設備機器の専門メーカーとして、高い技術力を武器に業界をリードしております。住宅向け機器の製造販売も好調で、当社事業の2本目の柱として育ちつつあります。ビルや住宅で人々が安全に、快適に過ごすために欠かせない多種多様な製品を世の中に供給しております。私どもは情熱を持って価値ある製品づくりに取り組み、人にやさしい空気調和のシステム作りに貢献してまいります。
FOUR・SE株式会社のご紹介
FOUR・SE株式会社 FOUR・SE株式会社は「ユーザーフレンドリーで使いやすく」をモットーに、2013年に熊本県山鹿市で創業。九州や首都圏に拠点を展開し、空調自動制御、中央監視システム、ネットワークカメラ、太陽光発電設備の設計・施工・保守を手がけるトータルエンジニアリング企業です。また、特定メーカーに依存しない独立系企業として、市販製品で構成したシステムでお客様のご要望に合わせて最適なサービスをご提案します。
本システムについての照会先:
株式会社エムジー
カスタマセンター システム技術グループ
TEL:06-7525-8800