連載第2回 FAで何ができる?~計装が支える効率的な生産ライン~
前回は計装という言葉は知っているが、人に説明しようとするとうまくできない、そのようなお悩みをお持ちの方、計装についての知識はあるがもう一度確認したいという方に向けて計装の基本についてご紹介しました。今回はFAの分野で計装がどのような役割で活躍しているのかをご紹介します。
FAについて
「FA」とはFactory Automation(ファクトリオートメーション)の略称で、工場の自動化を意味します。代表的な導入事例としては自動車工場や食品工場などがあります。生産工程における材料の加工や部品の組立て、製品の運搬、製品の包装、管理業務などが対象範囲となります。製鉄や石油·化学プラントなど、原料に熱や圧力を加え、化学反応などを通じて製品を製造するプロセス産業で用いられる「PA」(Process Automation、プロセスオートメーション)とは一般的には区別されています。
図:食品工場のFA導入例
FAの目的としては、生産性の向上(ロボットなどによる24時間稼働や高速な作業が可能になります)、品質の安定化(人為的なミスを減らし、一定品質の製品を生産できます)、コストの削減(人件費や教育コストを削減し、人手不足に対応できます)、安全性の向上(危険な作業を自動化することによって、作業者の安全を確保できます)などがあります。
FAの歴史は、1950年代から採用されはじめ、1960年代になって産業用ロボットの実用化が進み、1970年代にはセンサ情報をもとにフィードバック制御を行うロボットが開発され、2000年代に入るとIoTやAIといった技術を活用してFAの実現につながる製造プロセスの改善や生産の効率化を目指すインダストリー4.0(*1)という技術的コンセプトが登場しています。
FAと計装のかかわりについて
産業用ロボットやセンサなどを活用して生産ライン全体を自動化し、生産性の向上やコスト削減、品質の安定などを目的としているFAにおいては、計装が重要な役割を担っています。温度や圧力、位置、回転数などの生産ラインの各種データをセンサで計測し、送られた情報を処理して、その結果に応じてバルブやモータなどを制御します。これによって人が行っていた作業を自動化して、生産プロセスを効率化します。また、PLC(*2)などの制御機器を中核として、システムを構築・統合します。
FAにおける計装の構成要素例
- センサ・検出器 : 温度センサ、圧力センサ、位置検出器、回転数検出器など
- 制御機器 : PLC(プログラマブルロジックコントローラ)など
- アクチュエータ : モータ、バルブ、シリンダーなど、制御機器からの信号を受けて物理的な操作を行う機器
- HMI(ヒューマンマシンインタフェース): タッチパネルなど
人がシステムを監視・操作するためのインタフェース
リモートI/Oのご紹介
リモートI/O(Input/Output)とは、分散形I/Oとも呼ばれ、FAやPAなどの工場においてPLCやDCS(*3)、あるいはPCなどのマスタ機器に対し通信により入出力信号を受渡しする機能をもつ電子機器です。通信にはプロトコルが公開された各種のオープンネットワークを使用し、大量の配線が不要になる省配線化を実現してノイズに強いデータ伝送やシステム拡張・保守の容易化、コスト削減に貢献します。
当社のリモートI/Oは、お客様から好評を博しており累積販売台数は144万台(*4)を突破しています。主な特長としては、世界に普及している主要なオープンネットワークに対応していること、プログラムレスで上位機器と自由に通信できること、入出力信号は基本的にアイソレーションされていること、インタフェースできる入出力信号の種類が豊富なことなどがあります。また、形状別に10シリーズをラインアップしていますので設置場所や用途に合わせてお選びいただけます。
さらに、無線を利用したリモートI/Oもご用意しています。無人搬送車の遠隔操作や耐久試験装置の遠隔異常通報、運搬用モノレールのバッテリ監視、射出成形機の予知保全などFAのさまざまな現場で活躍しています。
当社では、対応するネットワークの種類が多く、あらゆるリモートI/Oを取揃えています。
(*1) ドイツ政府が発表した産業政策で第4次産業革命と訳される。
(*2) Programmable Logic Controller(プログラマブルロジックコントローラ)、機械の動作をプログラムで自動制御する装置
(*3) Distributed Control System、分散制御システム
(*4) 2025年9月時点