お客様訪問記 東京都練馬区 ヤマト電機株式会社
電力監視に採用された「Web機能付電力モニタ(形式:EDMC)」と「電力マルチ変換器(形式:M5XWT)」

今回は、東京都練馬区にあるヤマト電機株式会社を訪問し、ヤマト電機株式会社 本社建屋の電力監視に採用されたWeb機能付電力モニタ(形式:EDMC)と電力マルチ変換器(形式:M5XWT)について、同社エンジニアリング事業部 部長の杉本様にお話を伺いました。

エムジー 本システム導入の経緯についてお聞かせください。


杉本様 近年「カーボンニュートラル」というテーマが世に浸透していく中で、細かく電力監視をする案件が増えています。あるデータセンター向けの電力監視案件では、各部屋の分電盤の中にあるブレーカを1回路ずつ計測して、合計1000点以上の電力を細かく監視する必要がありました。加えて、140ポイント以上の温度計測もありました。その案件での経験を踏まえ、当社で「節電サポートサービス」を商品化することを決定し、まずは自社の建屋に導入することになりました。そこで電力監視に使用する小形の電力マルチメータやデマンド監視装置を探していたところ、他社では納期がでない中で、エムジーは即納対応ができるとのことで採用を決めました。


エムジー 本システムの概要や構成についてお聞かせください。


杉本様 詳細はシステム構成図をご参照ください。地下の受電盤にデマンド監視機能をもったEDMCを設置しました。さらに各回路の電力使用量を把握するため、地下と屋上にある各分電盤の回路ごとにM5XWTを設置しています。EDMCはデマンド監視を行うことで全体の消費電力を正確に把握することができ、M5XWTは回路ごとの消費電力を細かく測定することができます。M5XWTデータはEthernet/RS-485変換器(形式:GR8-EM)を経由して、Modbus通信でエッジマイクロPCに取込んでいます。EDMCからはデータを直接クラウドサーバに取込んでいます。 計測データは、LTE回線でVPNセキュリティを確保し、当社が管理するクラウドサーバへアップロードされるため、インターネットにアクセスする環境があれば、ユーザはどこからでも監視画面を見ることができます。そのため、節電を実施する際にどの回路の電力使用量が多く、どの回路をカットするのが効果的か一目で知ることができます。当然、デマンド警報も知ることができるため、警報が発生した際には、一旦、設備の稼働を止めてデマンド時限が変わったあとに設備を動かすなどの節電対策をすることで、金銭的な節約につなげることもできます。


エムジー EDMCM5XWTを使用してどのような監視を行っているかお聞かせください。


杉本様 お客様が節電に取組みやすい監視画面を目指して当社で開発を行っており、監視画面や節電評価ツールなど、用途にあわせて約20画面をご用意しました。今回は抜粋して、3つご紹介します。
1つ目はデマンド電力監視画面です。現在時限の契約電力、予測電力、現在電力、当日の時限ごとの消費電力に加え、時限ごとの気温、天気も表示され、一目で現状を理解することができます(図1参照)。
2つ目は電力デマンド年推移画面です。現在からさかのぼって2年分の月ごとの消費電力、契約電力と昨年比を表示しています。どの月に消費電力が多く、どのタイミングで契約電力が更新されているかを知ることができ、節電による節約効果を確認することができます(図2参照)。
3つ目は負荷回路の節電ガイド画面です。各負荷の消費電力と、その負荷が全体の消費電力のうち何%の電力を消費しているかを表示しています。どの負荷に節電のアプローチをするのが効果的であるかを一目で確認できます(図3参照)。
上記にあげた画面以外にも節電に役立つ画面をご用意しています。


図1 電力デマンド電力監視画面
図1 電力デマンド電力監視画面
図2 電力デマンド年推移画面
図2 電力デマンド年推移画面
図3 負荷回路の節電ガイド画面
図3 負荷回路の節電ガイド画面

エムジー 本システムを運用した感想をお聞かせください。


杉本様 開発した電力監視システムを実際に運用し、当社建屋の電力使用状況を分析してみるとエレベータの消費電力が意外と多いことがわかりました。デマンド警報発令時にはエレベータの使用を控えるなど節電を実施したところ、10%程度の節電効果がありました。また、節電を実施する際に、部屋の照明をすべて1つのスイッチで操作していると間引くことが難しいので、工事をする際に間引けるように考慮するなど、お客様への施工時に役立つ経験を積むことができています。
EDMCM5XWTについては動作が安定しており、意図通りの動作を続けることができているため、信頼性が高いです。


エムジー 今後の予定をお聞かせください。


杉本様 リモートI/Oを追加して、各部屋の温度情報も収集し、空調機への制御を加えることで自動的に節電ができるようにしていこうと考えています。加えて、省エネ取組は、データ計測と需要者の意識改革やルール作りが基本と認識していますので、そのあたりを支援する節電支援評価機能を充実させたいと考えています。

システム構成図

エムジー 本日はお忙しい中ありがとうございました。今後とも、エムジーをよろしくお願いいたします。



採用された製品のご紹介

  • Web機能付電力モニタ

    形式 EDMC RoHS10

    手のひらサイズのプラグイン構造をしたデマンド監視ユニットです。設置・取付がとても簡単なので、いつからでも気軽にデマンド監視をはじめられます。
    形式 EDMC
  • クランプ式パルス検出器

    形式 CLSP-5 RoHS10

    電力会社の取引用計器のパルス信号を、クランプ式センサで間接的に検出し、電力会社の機器と同一パルスで計測します。
    形式 CLSP-5
  • Ethernet/RS-485変換器

    形式GR8-EM CE RoHS10

    Modbus/TCP(Ethernet) とModbus RTU(RS-485)のプロトコルを相互に変換します。
    形式 GR8-EM
  • 電力マルチ変換器

    形式 M5XWTRoHS10

    コンパクトな形状で、新設の装置はもちろんのこと、既設の装置や製造ラインの盤のちょっとした隙間に取付けることで、Modbus通信を使って電力諸量を測定します。
    形式 M5XWT
  • クランプ式交流電流センサ

    形式 CLSE CE RoHS10

    電流信号の検出はクランプするだけでOK!配線を切断する必要がないため、電気を止めずに設置できます。
    形式 CLSE

ヤマト電機株式会社のご紹介

ヤマト電機株式会社ヤマト電機株式会社

ヤマト電機は電設資材の専門商社として、高層ビル、マンション、大型商業施設、住宅、工場、学校、道路、鉄道など、みなさんの生活に身近なところに使われている電気設備資材(電設資材)、情報通信機器を提供しております。
電線、照明器具(LED)、スイッチ、コンセント、非常用発電機をはじめ、取扱商品は約60万点にのぼり、あらゆるところで生活を支えております。
また、環境、エネルギー関連機器である、太陽光発電、蓄電池などの取扱を含め環境、エネルギービジネスへのソリューション営業にも積極的に取組んでおります。

本システムについての照会先:
ヤマト電機株式会社
エンジニアリング事業部
杉本様、澤様、大久保様
〒179-0074 東京都練馬区春日町2-14-8
TEL:03-3825-1571