変換器

エムエスツデー 1996年9月号

計装豆知識

電源配線がいらないアイソレータ印刷用PDFはこちら

アイソレータは、直流絶縁変換器とも言い、入力信号と出力信号がそれぞれ別個の電位になった場合でも直流信号を正確に伝送できる機能を持っています。アイソレータの主な用途は、次のとおりです。
 ● パネル内配線での回り込みを防止
 ● 信号の2点アースを可能にする
 ● フィールド配線側から入るノイズを抑制

電源なしアイソレータは、4~20mA DC入力が基本

図1 電源なしアイソレータ(形式:HSN)のブロック図

通常のアイソレータでは、絶縁回路を動作させるために電源配線が必要ですが、エム・システム技研の「電源なしアイソレータ」では、電源配線がいりません。電源を入力信号から取るからです。

電源なしアイソレータでは、消費電力の極めて少ない絶縁回路を開発することにより、入力信号から電源を取ることを可能にしました。ただし、電源なしアイソレータを実現するため入力信号は、4~20mA DCまたは10~50mA DCに限定されます(図1)。

電源なしアイソレータは、M・UNITシリーズをはじめとするすべての変換器シリーズに用意されています。

電源なしアイソレータの入出力の種類

入力信号 出力信号
4~20 mA DC 1~5 V DC
4~20 mA DC
10~50 mA DC 1~5 V DC
4~20 mA DC

電源なしアイソレータのメリット

図2 取付けスペースの比較

① パネル内の電源配線が不要
電源配線、電源スイッチ、ヒューズ等が不要

② 省スペース
H・UNITシリーズの電源なしアイソレータ(形式:HSN)を使用すれば、取付けスペースは2チャネル形でわずか幅25mmです。すなわち、従来の幅50mmのプラグイン形変換器1台のスペースに4チャネル分のアイソレータを収納できることになります(図2)。

③ パネル費用のトータルコストを削減
電源なしアイソレータ(形式:HSN)の価格は38,000円であり、1チャネル当たりにすれば19,000円です。しかも電源配線が不要であり、パネル実装面積は四分の一になるため、トータルコストは大幅に削減できます。


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