お客様訪問記 福井県敦賀市
敦賀ターミナル株式会社 むだな電力の削減をめざして
点在する港の設備を920MHz帯無線で遠隔監視
今回は、福井県敦賀市で液体化学品などの保管業務を中心とした倉庫業を営む敦賀ターミナル株式会社を訪問し、電力監視用途に採用された現場設置形データロガー Webロガー2(形式:DL30)、920MHz帯マルチホップ無線機器 くにまる、および電力マルチ変換器(形式:M50XWTU)について、業務部の水馬様、西尾様にお話を伺いました。
エムジー 本システム導入の経緯についてお聞かせください。
水馬様 近年、エネルギー価格の高騰や設備維持管理コストの増加を受け、敦賀ターミナルでは設備ごとの電力使用状況を把握したいと考えていました。しかし、当時把握できていたのはターミナル全体の電力使用量のみで、エリア別や設備別の詳細な使用状況までは見えていませんでした。
そのため設備仕様書の消費電力から概算値を算出していましたが、液体などの保管用温度管理タンクのヒーターのように自然環境によって消費電力が変化する設備も多く、実際の使用電力量を正確に把握したいという課題がありました。
また、有線による監視システムも検討しましたが、既設設備への後付けであったため通信ケーブルの敷設ルート確保が難しく、工事費や材料費も高額になることから導入を断念していました。そんな中、MGTrendの記事で無線を活用した電力監視システムを知り、導入を検討することになりました。
エムジー 本システムの概要や構成についてお聞かせください。
水馬様 本システムは、敷地内に点在した設備の電力監視システムです。詳細はシステム構成図をご参照ください。本システムでは、電力マルチ変換器(形式:M50XWTU)を20台設置し、設備ごとの電力量や電流値などを計測しています。M50XWTUは共通の電圧回路で複数の負荷を測定できるため、機器点数を抑えながら導入コストの低減にもつながりました。
さらに敷地内を4エリアに分けてくにまる子機(形式:WL5MW1)を設置し、電力マルチ変換器とModbus-RTUで接続しています。収集したデータは920MHz帯無線を介して事務所のくにまる親機(形式:WL40EW2)へ送信し、Webロガー2(形式:DL30)で記録・監視しています。最も離れた設備とは約200mの距離を無線通信しています。
導入前にはメーカーによる無線通信試験を実施し、最適なアンテナ位置を事前に確認できました。さらにルーフトップアンテナを使用して盤外へ設置するように工夫することで通信品質を確保しており、現在も安定した通信を維持しています。
また、DL30は社内LANへ接続されており、監視画面を社内で共有しているため、社員は自席のパソコンからいつでも電力使用状況を確認できます。
エムジー どのような運用を行っているのかお聞かせください。
水馬様 現在は事務所の照明や空調設備、出荷用ポンプ、温度管理タンクのヒーターなどを対象に、電力量を中心としたデータ収集を実施しています。瞬時電力や電流値も常時監視しており、ロギング機能によるデータ収集や、帳票機能による日報作成も行っています。
監視画面では標準画面に加え、ユーザ定義画面を活用して各エリアの電力使用量や電流値を一元管理しています。負荷ごとの電力使用量をバーグラフ表示することで各設備の消費状況を把握しやすくし、電流値についても定格値と比較できるよう工夫しています。これにより設備の稼働状況や異常兆候を直感的に確認できるようになりました。
エムジー DL30、くにまるとM50XWTUを採用してのご感想をお聞かせください。
西尾様 DL30はブラウザから監視できるため、現場へ行かなくても自席から設備状況を確認できる点が非常に便利です。
電力の見える化によって、これまで把握できなかった設備ごとの消費電力の違いも明確になりました。想像以上に電力を消費している設備や、逆に消費が少ない設備も把握できるようになり、省エネルギー活動や運用改善に役立っています。
なかでもとくに効果を実感したのがヒーターの停止忘れ防止です。冬場に使用する温度管理タンクのヒーターは消費電力が大きいですが、帰宅前にDL30の監視画面を確認することで停止忘れを発見し、むだな電力消費を防ぐことができました。
また、ポンプの停止忘れも早期に発見できるようになりました。ポンプは長時間運転すると発熱し、故障の原因となる場合があります。以前は集中監視ができなかったため異常発見に時間がかかることもありましたが、現在は常時監視によって設備状態を把握できるようになり、省エネルギーだけでなく設備の予知・予防保全にも貢献しています。
水馬様 導入にあたっては、監視システムの工事や設定、Modbus通信の利用も初めての経験でしたが、「まずは自分たちで取組んでみる」という方針のもと、自社で工事・設定を進めました。
最初は構築したシステムが正しく動作するか不安もありましたが、実際に運用を開始すると非常に便利で、導入して良かったと感じています。また、M50XWTUはコンパクトで、既設盤内の限られたスペースにも設置しやすく、後付け導入に適していました。
設定時には現地サポートやDL30の設定動画が大変参考になりました。さらに、ホットライン窓口にも迅速に対応いただき、安心してシステムを立ち上げることができました。
エムジー 今後の予定をお聞かせください。
水馬様 今後はDL30をインターネットへ接続し、社外からの遠隔監視やメール通報機能の活用を進める予定です。また、電力監視に加えてデマンド管理や設備の最適運転にも取組みたいと考えています。たとえば、温度管理タンクのヒーターについては、出荷スケジュールに合わせた運転時間の最適化を行うことで、さらなる省エネルギーが期待できます。無線機器を活用した接点制御により、ポンプ運転と連動したヒーター停止制御なども検討しています。
さらに、将来的にはタンクの温度や圧力といったプロセスデータの監視にも対象を拡大する計画です。現場巡回による目視確認を削減し、さらなる業務効率化につなげていけるのではないかと期待しています。
エムジー 本日はお忙しい中ありがとうございました。今後ともエムジーをよろしくお願いいたします。
採用された製品のご紹介
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- 920MHz帯マルチホップ無線機器 くにまる®シリーズワイヤレスゲートウェイ
形式 WL40EW2
- Modbus/TCP(Ethernet)、920MHz帯特定小電力無線機器「くにまる」用ゲートウェイです。

写真はルーフトップアンテナを装着 - 920MHz帯マルチホップ無線機器 くにまる®シリーズワイヤレスゲートウェイ
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写真はルーフトップアンテナを装着 -
- 現場設置形データロガー Webロガー2
形式 DL30
- Web画面による遠隔監視機能、データロギング機能、イベント通報機能に加え帳票の作成機能などを備えた現場設置形のデータロガーです。
取扱説明動画をご用意しています
Webロガー2「DL30」スタートアップ 準備編
https://www.mgco.jp/video/tm_dl30_preparation/ - 現場設置形データロガー Webロガー2
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- 電力マルチ変換器
形式 M50XWTU
- コンパクトな形状に、単相は4回路、単相3線と三相3線は2回路まで対応する電力マルチメータです。
Modbus通信も標準装備しています。
- 電力マルチ変換器
敦賀ターミナル株式会社のご紹介

敦賀ターミナル株式会社
敦賀ターミナル株式会社は、敦賀港において液体化学品や石油関連製品の保管・受入・払出業務を担うタンクターミナル事業を展開しています。船舶やタンクローリーを利用した荷役サービスをはじめ、製品の品質維持に配慮した保管管理、各種物流支援サービスを提供。日本海側の物流拠点として、安全・安定・高品質なオペレーションを通じて、お客様のサプライチェーンを支えています。また、環境保全や安全管理の徹底に努め、地域社会と産業の発展に貢献しています。
本システムについての照会先:
株式会社エムジー カスタマセンター システム技術グループ
TEL:06-7525-8800