バックアップユニット内蔵タイプ

高信頼形シングルループコントローラ SC110/210
- シングルループコントローラ SC110/210は、バックアップユニットを内蔵したモデルです*1。
- バックアップユニットは、万一、調節計本体(メインユニット)に何らかの異常が発生した場合や故障時においても、制御出力(MV)*2 を保持し、かつ手動操作(マニュアルバックアップ)が行えるバックアップ機構を備えた信頼性の高いユニットです。
- SC110/210は特に高い稼働率を求められるプラントや操作性の確保が重要なループの制御用に最適なコントローラです。
- バックアップユニットにより制御出力(MV2)を保持したまま、メインユニット(内器)をパネル前面から引き抜くことができます。そして、交換用のメインユニット(予備品)や修理の完了したメインユニットを前面から挿入して復旧することができます。
■ SC110、210のハードウェア構成
前面パネルごと取り外しができる「メインユニット」と、 独立して動作する「バックアップユニット」
- 独立した「バックアップユニット」が筐体(端子台)側に固定されています。「メインユニット」とはコネクタ接続され、「バックアップユニット」を筐体側に残したまま「メインユニット」をパネル前面から挿抜することができます。
- 出力(MV2)指示用のインジケータ(前面LED)は「バックアップユニット」側に接続され、また出力操作用の前面ボタンの接点信号は、「メインユニット」側と「バックアップユニット」側双方に並列に接続されています。
- 「バックアップユニット」は、「メインユニット」から独立した電源部を備え、「メインユニット」側とは給電系統を分離することができます。*3
- 「バックアップユニット」は、「メインユニット」よりも少ない部品点数でシンプルに構成され、高い稼働率を実現します。
*3. 2系統給電モデルでない場合は共通給電となります。
■ 切替時の動作
「メインユニット」の異常発生時にスムーズな交換とバンプレスなシステムの復旧ができます。
- 「メインユニット」と「バックアップユニット」は、通信により相互の状態監視を行っています。
- 「バックアップユニット」側は、「メインユニット」側の出力アンサバック値(アナログ値)を取り込み、自己の出力をトラッキングさせています。
- 制御出力(MV2)の切替SWは、「メインユニット」側を選択しています。
- 前面ボタンの操作により、制御出力(MV2)の切替SWが「バックアップユニット」からの出力側に切り替わります。*5
- 「バックアップユニット」からの出力は、あらかじめ「メインユニット」からの出力とトラッキングがとられているのでバンプすることはありません。
- その状態から、前面ボタンによる手動操作が行えます。
- バックアップユニット」のバックアップCPUが「メインユニット」側の異常(入出力CPU、もしくは制御CPUの異常)を検知すると、制御出力の切替スイッチが「バックアップユニット」出力側に切り替わります。*5。「バックアップユニット」からの出力方式を以下から選択することができます。*4
①切替前の「メインユニット」側からの値
あらかじめトラッキングがとられているのでバンプすることはありません。
②プリセット値
設定画面からあらかじめ設定した固定値。切替前の出力値からは、変化率制限*4をかけることが可能であり、急激な変動を抑えることができます。 - 取り外した「メインユニット」を復旧する場合、前面ボタンの操作により制御出力の切替SWを「メインユニット」側に切り替えます。その際、「メインユニット」側は「バックアップユニット」側からの出力を取り込み、自己の出力をトラッキングさせることにより、バンプレスに切り替えることができます。
- 切り替わった初期状態は、制御ループがマニュアルモードになっています。
通常時
バックアップユニット切替時
手動による切り替えは常時行えます。さらに、自動切替の「有効/無効」を選択できます。*4
1.手動切り替え時
2.自動切り替え時
*4. ビルダーソフト(形式:SFEW3)から、モードやパラメータを設定することができます。
*5. バックアップユニット側に切り替わると、「RUN接点」が開きます。
復旧時