HLS(ハイスピードリンクシステム)

HLS(Hi-speed Link System)とは、株式会社ステップテクニカが提唱している超高速・高信頼性オープンフィールドネットワークの名称です。
HLSの概要
HLSは、半導体製造装置、精密工作機械、射出成型機、コンベア搬送システムなど、FA分野の各種制御装置用オープンフィールドネットワークとして、幅広い業種において採用されています。
HLSでは2種類のIC("マスタ(センタ)IC"と"スレーブ(サテライト)IC")が用意されています。1個のマスタICに最大63個のスレーブICを接続可能で、1ms以内に2016点のI/Oが一括制御できる(12Mbps、全二重通信時)という超高速のリモートI/O制御ネットワークです。
1つのスレーブICは、16ビットの信号入力と16ビットの信号出力を利用できます。マスタICは、各スレーブICの入力ポート状態を内部メモリのDi領域へ複写し、また、内部メモリのDo領域のデータを各スレーブICの出力ポートへ個別に複写することで、1つの巨大なメモリ・マップド・リモートI/Oを構成します。
接続には、面倒なコンフィギュレーションは不要で、局番、通信速度、通信方式、終端抵抗を設定するだけで、ネットワークに加えることができます。また、ネットワークが稼働中であっても参入と離脱が可能です。
HLSの特長
(1)プロトコル内蔵
独自のプロトコルを内蔵していて、CPUに依存することなく自動的に通信を実行するため、シンプルなプログラム開発が可能です。
(2)高耐ノイズ
周辺環境から様々なノイズが発生しても、パターンフォーマット検定、CRC-12検定、RZ信号形式の正当性検定など3つの検定技法によってデータの信頼性を保証しています。
また、常時周期的にスキャンを実行するシステムであるため、パケット伝送中に外部からの侵入ノイズなどによって通信エラーが生じた場合は、直後のスキャンがリトライと同等の意義を持ちます。したがって、リトライは一切実行しません。
この結果、リトライによって1つの端末への通信が集中し、他の端末と通信ができなくなるという状況は発生しません。したがって、何らかのトラブル発生時にも、他の端末へアクセス可能なセーフティネットワークを実現することができます。
(3)長距離
超高速な応答速度を維持したまま、最長300m(3Mbps時)の長距離伝送ができます。さらに、ネットワーク内にHUBを増設することによって、数千mまで延長することも可能です。
(4)省配線
省配線化(シリアル化)することにより、コスト、メンテナンス、スペースの大幅削減が可能です。
(5)一定周期通信
"一定周期のスキャン方式"を採用しているため、応答速度が変化することはありません。したがって、ユーザアプリケーションには、安定した動作(定時性)が保証されます。
HLSの通信仕様を表1に示します。
表1 HLSの通信仕様
通信形態 | HLS (Hi-speed Link System) マスタ/スレーブ型ポーリング方式 |
|
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接続状態 | マルチドロップ方式 (RS485) | |
接続方式 | 12Mbps/6Mbps/3Mbps(全二重/半二重) | |
通信ケーブル | カテゴリ3以上のシールドケーブル | |
最大接続ノード数 | 63ノード | |
I/O制御数 | 1端末:16 IN, 16 OUT 63端末:1008 IN, 1008 OUT |
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通信距離 | 通信速度 | ネットワーク最大長 |
12Mbps | 100m | |
6Mbps | 200m | |
3Mbps | 300m | |
トポロジ | バス(HUB使用時:ツリー/スター) |
・上記の通信距離については目安であり、使用環境により異なります。
HLSの対応製品
当社では、HLSに対応したリモートI/O R7シリーズを販売しています。図1に機器接続図を示します。

図1 機器接続図
- HLS(Hi-speed Link System)の詳細については下記ホームページをご参照ください。
参考ホームページ:
https://www.steptechnica.com/jp/hls/