EtherNet/IP(イーサネット アイピー)

EtherNet/IPの概要
EtherNet/IPは、Ethernetを使用した産業用のマルチベンダネットワークです。
表1に、その通信仕様を示します。この仕様はオープンな規格として、DeviceNetと同様にODVA(OpenDeviceNet Vendor Association)にて管理され、様々な産業用機器に採用されています。米国およびアジアで大きいシェアを獲得していてGeneral Motors社の全工場における通信システムとして採用されています。EtherNet/IPは、コントローラ間のネットワークとしてだけでなく、フィールドネットワークとしても使用可能です。また、標準のEthernet技術が使用されているため、様々な汎用Ethernet機器を混在させて使用できます。
表1 EtherNet/IPの通信仕様
伝送種類 | 10BASE-T/100BASE-TX |
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伝送速度 | 10/100Mbps |
通信距離 | ノード間距離:100m以内 |
伝送ケーブル | STPケーブル カテゴリ5/5e |
トポロジ | スター、ライン、ツリー |
最大接続台数 | 制限なし |
EtherNet/IPは、産業環境とタイムクリティカルなアプリケーションでの使用に適したネットワークです。EtherNet/IPでは、標準的なEthernetとTCP/IPテクノロジ、およびCommon Industrial Protocol(CIP)というオープンなアプリケーション層プロトコルを使用します。CIPを使用することによって EtherNet/IP上に接続するだけで複数メーカー製品同士の相互運用が可能になります。
また、CIPは、DeviceNet、ControlNet、およびCompoNetネットワークでも使用されるアプリケーション層であるためEtherNet/IPへの移植が比較的容易に実現できます。図1にCIPの共通層の概略図を示します。

*1. CAN:Controller Area Network
*2. CSMA/CD:Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection
*3. CTDMA:Concurrent Time Domain Multiple Access
*4. CSMA/NBA:Carrier Sense Multiple Access with Non-destructive Bitwise Arbitration
図1 CIP共通層の概略図