CUnet(シーユーネット)

CUnetは、株式会社ステップテクニカにより開発された、マルチマスタ型リモートI/O制御ネットワークです。CUnetを構築するためには、専用ICを使用します。1つのネットワーク上には最大64個のCUnet専用ICを接続でき、かつ最大512バイトのデータを共有しながら、I/O制御が可能です(図1)。

図1 CUnetメモリ共有イメージ
CUnet専用ICは、CUnetプロトコルと、ネットワーク内の各ノードが相互に情報共有するためのメモリを搭載しており、必要なデータを、必要なときに、書くだけ/読むだけのシンプルな操作を行うだけなので、ユーザ側での特別なプロトコル処理は必要ありません。このような特徴から、CUnetは、複数の装置あるいは、制御モジュールによって構成されるようなCPUを多数使用する高機能なシステムでも、シンプルに構築することが可能です。
さらに、データ共有の実行速度も極めて高速であるため、「リアルタイム分散制御」も実現可能です。
CUnetの概要
CUnetは、「マルチマスタ:マルチスレーブ」のリモートI/O制御ネットワークで、マスタとスレーブとの間は常に自動で通信しています。
CUnet ICは、マスタICとスレーブICが共に64ブロック(1ブロック:8バイト なおブロック数は自由に設定可)から構成される512バイトのメモリを搭載しており、このメモリは、自己のみがライト可能な「自己占有エリア」と、他のCUnet ICのデータがコピーされるエリアから構成されています。
「自己占有エリア」へライトされたデータは、ブロードキャストにて全端末のメモリにて即時コピーされます。これによって、マスタへ接続されているCPUは、マスタICのメモリをリード/ライトするだけで、各スレーブのI/Oを制御したり、他のCUnet ICの状態を把握したりすることができます(図1)。
マスタICで使用するブロック数は、自由に設定できます。
一方、スレーブICは入力時のみ自己占有エリアを使用しますが、この自己占有エリアは1ブロック(8バイト)に固定されています。
デジタルI/O、アナログI/O、位置決め制御時のスレーブの入力データは、「自己占有エリア」へ自動的にライトされ、全端末へそのデータが共有(コピー)されます。スレーブICの中には、入力データのフィルタリングや平均化機能を搭載したものもあり、CPU処理の負担を軽減することができます。
スレーブから出力する場合は、マスタを選択し、選択されたマスタの「自己占有エリア」のデータを出力します。
ネットワーク接続にはRS-485を用いたマルチドロップ配線を利用しますが、HUB-IC(MKY02)を使用することにより、T分岐や配線延長も可能です。
表1 CUnetの通信仕様
通信方式 | CUnet通信 マルチマスタ型ブロードキャスト方式 |
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接続形態 | マルチドロップ方式(RS-485) | |
通信速度 | 12Mbps/6Mbps/3Mbps(半二重) | |
通信ケーブル | カテゴリ3以上のシールドケーブル | |
最大接続ノード数 | 64ノード | |
データ共有量 | 1ノード:8バイト単位 最大64ノード:512バイト |
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通信距離 | 通信速度 | ネットワーク最大長 |
12Mbps | 100 | |
6Mbps | 200 | |
3Mbps | 300 | |
トポロジ | バス(HUB使用時:ツリー/スター) |
・上記の通信距離については目安であり、使用環境により異なります。
- CUnetの詳細については下記ホームページをご参照ください。
参考ホームページ:
https://www.steptechnica.com/jp/cunet/